この場所では光・水・熱・風、全てがエネルギーとなる


ー エネルギー自立が出来る工場の模式図 ー
みらい工場は建築&ものづくりすべてのエネルギー収支ゼロを掲げた『エネルギー自立が出来る工場』を試みた建物
となります。そのために必要な建築手法、エネルギー活用方法、環境配慮、あらゆる取り組みをこれからご紹介します。
巨大な生産エリアを支える設備システム -その1 帯水層蓄熱空調システム-


帯水層蓄熱空調システムとは再生可能エネルギーである帯水層熱を活用した蓄熱システムです。
帯水層のある地脈や適正な流速など様々な与条件が必要なため入念な調査の上で計画しました。
130mの間隔を取って巨大な掘削機で2本の井戸を地下水のある地層まで掘ります。
この井戸の中で空調により発生した温廃熱を管理し再び熱エネルギーとして活用することで省エネを図るシステムです。
例えば夏場は地下水を井戸からくみ上げて冷房に使用、冷房利用によって温まった地下水を井戸へ注入します。
このように地中の井戸で蓄えた暖かい地下水を冬場に暖房として利用します。そして暖房利用で冷えた地下水を井戸に注入し夏場の冷房に利用し、、、と繰り返すことで年間を通じて高効率な空調運転を行います。
県内の民間企業では初の導入システムとなります。
巨大な生産エリアを支える設備システム -その2 成層空調システム-


成層空調システムとは、給気口を床面付近に、排気口を天井付近に設置することで
汚れた空気を上空に押し上げて人が作業する床面から約2mのエリアを充分に換気できるようにします。
空調熱負荷を抑え大空間の空調ランニングコストを抑えることが可能なうえ、
常に新鮮な空気を作業スペースに送ることができる空調方式です。
巨大な生産エリアを支える設備システム -その3 発電設備-


変圧器で用いる絶縁油を石油由来の鉱油ではなく植物由来のエステル油としたグリーン特高変電所、
アンモニアを触媒としたアンモニア水素発電設備、屋根全面に計画した太陽光発電設備、
電力の大部分の供給を自分自身でまかなうための発電設備となっています。
照明機器をはじめとした機器の省力化や自然由来のエネルギー採用で
温室効果ガス排出量を削減し、カーボンニュートラルに貢献します。
エネルギー収支の見える化

エントランスホールでは工場内のエネルギーの動きが分かるように視認性の高い場所に大きなサイネージを設置しました。
エネルギー収支を見える化することで来館者、従業員の環境への意識を高めています。
単にわかりやすくするだけではなく、このEMS(Energy Management System)では
データの一元管理による予防保全、デマンド監視、異常監視も担っています。
『エコロジカルルーフ』により省エネでも快適な執務空間


採光・換気に適した天井形状『エコロジカルルーフ』を採用することで、ハイサイドライトが差し込む明るく開放的な空間となりました。効率よく空調換気を行うために、開口部形状などはシミュレーションを用いて検証し、自然エネルギーを最大限活用できる執務空間を実現しました。
資源の循環を意識したデザイン


エントランスホールや打合せスペースは木材の設えとなっています。建物のデザインとしてだけではなく、
構造面・機能面にも間伐材を活用し、その他の部分で使用する木材も県産材を積極的に活用しました。
2階の打合せスペースは豊かな緑を眺めることができるよう全面ガラス張りで計画しました。
緑は長年にわたり育まれてきた既存工場の緑地を借景として取り入れています。
また、建設中に敷地より伐採した木材を屋内サインや家具什器に循環活用しています。
地域と助け合う災害対策

災害時には、全面駐車場を開放して避難所として活用できるように計画しました。
巨大な受水槽から飲料水を供給したり、発電設備からの電力供給、マンホールトイレや防災倉庫
地域に根付く企業として地域貢献可能な整備を整えています。
地域に開放され、地域と共に育てるビオトープ


ビオトープは工場建設で消失する『田んぼの生態系』の回復/ 再生をテーマに、
池のまわりで野鳥や小さな生き物を観察できるようなイメージで計画しました。
このビオトープは、セキュリティ範囲外のエリアに配置することで、一般の方々が自然と触れ合い、より多くの人が自然共生を
感じることのできる空間として地域へ開放しています。また、写真の右手側には道路を挟んで既存工場とその緑地が広がっています。この緑地やビオトープが、年月を経て成長し繫茂していくことで、互いの工場へ干渉する緑の架け橋となり、工場の発展と共にこれからも成長を続けていくことでしょう。